アニュス・デイ - 神の子羊 (ビゼー)
       Agnus Dei ( Bizet )


作品紹介(アニュス・デイ )

ビゼー作曲の「アニュス・デイ」(神の子羊)は、とても美しく感動的なメロディーで、多くの歌手によって歌われています。いかにもビゼーらしい、親しみやすいながら高貴さのある曲です。

しかしこの曲は、ビゼー自身がミサ曲として作ったわけではなく、ビゼーの死後に「アルルの女第2組曲」の中の「インテルメッツォ」(間奏曲)のメロディーに、ギローが歌詞を後付けしたものです。

しかしながら、「アニュス・デイ クイ トーリス ペッカータ ムーンディ・・(世の罪を除き給う神の子羊・・)」というラテン語のミサ典礼文は、ビゼーのメロディーにあまりにもピッタリで、もうアニュス・デイのために作ったとしか思えないのです! この歌詞を後から当てはめたギローは何という天才でしょう。(もちろんビゼーの方がもっと天才なのだけど)

「アルルの女」という曲は、もともと同名の戯曲の劇付随音楽としてビゼーが作曲したものですが、そこから抜粋して二つの管弦楽用の組曲が作られています。「第1組曲」の4曲はビゼー自身が編纂していますが、「第2組曲」の4曲はビゼーの死後に、ビゼーの親友だったエルネスト・ギローによって編纂・編曲されています。(最下に全曲YouTubeを載せています)

このギローという作曲家は、アルルの女の編纂(+アニュス・デイ創出)だけでなく、カルメンのレチタティーボ版を作ったり(ビゼーが作ったのはセリフ入りのオペラ・コミック版のみ)、オッフェンバックが未完で遺したホフマン物語の補作を行ったり、またパリ音楽院の教授としてドビュッシーを指導するなど、フランス音楽界の隠れた大功労者です。
ギロー自身の曲は現在は殆ど残っていませんが、早世した親友のビゼーの才能を讃えて多くの補作を行い、広く世に知らしめ後世に残したことは、とても心温まる行いと思います。


古今東西の名歌手による、アニュス・デイ聴き比べ

YouTubeにはありとあらゆる名テノールのアニュス・デイがアップされていて、思わず片っ端から聞きまくってしまいます。三大テノールから歴史的大テノール、現役歌手まで、聴き比べてみると、短いシンプルな曲だからこそ、歌いっぷりの違いが際立ち、こんなに違うのかー!と驚くほどです。

まずは、三大テノールから

●ルチアーノ・パヴァロッティ
私が一番気に入ったのは、パヴァロッティのキリリとした名唱。このサイトではパヴァロッティはまったく取り上げていませんが(フランス語が苦手な彼は、フランスオペラを殆ど歌っていないため)、ここで讃えたいと思います。



●プラシド・ドミンゴ
何を歌っても上手いドミンゴは、もちろん上手い。



●ホセ・カレーラス
カレーラス独特の、青臭い情熱がほとばしってます。



続いて、歴史的大テノール。レジェンドテノールさんたちは、いずれも大絶唱しており、現代の歌手に比べて昔は皆、激唱タイプだったことが分かります。

●フランコ・コレッリ



●マリオ・デル・モナコ



●エンリコ・カルーソー



●アルフレード・クラウス



最後は現役歌手の皆様方。歴史的テノールと比較すると穏やかな歌唱です。
●ホセ・クーラ



●ロベルト・アラーニャ



●アンドレア・ボチェッリ



●エリーナ・ガランチャ



●「アルルの女 第1組曲・第2組曲」 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン、ベルリンフィル
《第1組曲》 (1)前奏曲:0:00〜、(2)メヌエット:7:07〜、(3)アダージェット:9:59〜、(4)カリヨン:13:30〜
《第2組曲》 (1)パストラール:17:34〜、(2)間奏曲:23:22〜、(3)メヌエット:29:00〜、(4)ファランドール:33:03〜




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