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作曲者別

カルメル会修道女の対話(プーランク)
   Dialogues des Carmelites (Poulenc)


作品紹介(カルメル会修道女の対話)

これはとても美しく、そしてとても怖ろしいオペラです。
初演は1957年ですから、昭和30年代の作品。 「もう私は生まれていた!」という方も多いのではないでしょうか。

18世紀のフランス革命時、革命派によって特権階級だったキリスト教聖職者が弾圧された際、革命派に従わず信仰を貫いたために、ギロチンに処せられた16人の修道女の史実に基づいています。

あまりにも重いテーマと、ラストのギロチン刑シーンの怖ろしさが際立っているため、聴くのに勇気がいる作品ですが、音楽自体はとても美しく、フランス語の言葉が元々こういうメロディーだったのかと思うほど自然に音楽に融合して歌われています。最初は「対話劇をオペラにする必要があるのか?」などと思っていましたが、緊迫した音楽と美しいフランス語の力は圧倒的です。

私はキリスト教徒ではないので全てを理解することはできませんが、全てではなくても部分部分でドキリとするシーンがたくさんあります。
主人公ブランシュの、「私は怖がりで、怖がりは軽蔑されるから常に軽蔑の中に生きている」という生き難さ。対して天真爛漫なコンスタンスは「この世の出来ごとはすべて神の意志でないものは何一つない」と言い切る。修道女長マリーは「悲しいのは他人に軽蔑されることではなく自分を軽蔑すること」「傲慢でなくなる方法はただ一つ、もっと高くなること。誇りを持ちなさい」と厳しく説き続けたのに、逃げたブランシュを探しに出たために自分だけ処刑を免れてしまう運命。そして、自分自身の尊厳ある死を捨ててまで何かを救った院長。

有名なラストシーンは、修道女たちが毅然と聖歌を歌いながら一人ずつ断頭台の階段を上ってゆき、聖歌に重なってギロチンのザクッという怖ろしい音が16回繰り返され、一人ずつ歌う声の主が少なくなっていって、最後にブランシュの歌が消えて幕を閉じます。(しかしこのザクッとか、シャキーンとかいうギロチンの音は、いつ聞いても心臓によくありません。あまりリアルな音だと寿命が縮む思いがします)

こんな怖ろしい話は創話としか思えませんが、実際にフランスであったことなのです。
曲中にレクイエムやベネディクトゥスなどのミサ曲も歌われ、宗教曲のようにも思われます。



あらすじ(カルメル会修道女の対話)

フランス革命の争乱期、貴族の娘ブランシュは生まれつき神経過敏で恐怖心が強い少女で、生きにくさを感じ、家族の反対押し切ってカルメル会修道院に入る決意をします。修道院院長は「修道院は避難所ではない。神はあなたの強さではなく弱さを試そうとなさっている」と諭しますが、ブランシュの決意は固く、院長はかつて自分が望んで叶わなかったのと同じ修道名を希望していることを知って、因縁のようなものを感じて受け入れます。
院長は病重く死期が迫っていました。ずっとブランシュを我が子のように気にかけていましたが、最期の時に院長は死の恐怖に捉われて激しく取り乱し、「30年以上聖職についていたのに何の役にも立たなかった!神は私を見捨てた!」と見苦しく呻いて死んでゆきます。

ブランシュと歳の近い修道女コンスタンスは無邪気で陽気な性格ですが、「私は死は怖くない」と言い切り、院長の哀れな最期について「あれは院長先生の死ではないと思う。誰か別の人の最期と入れ替わり、その人の死を引き受けたのでは」と言ってブランシュをハッとさせます。

やがて革命派の宗教弾圧が進み、修道院も解散を命じられます。それに従わずマリー修道女長の先導で皆は殉教の道を選びますが、ブランシュは怖くなり逃げ帰ります。しかし実家は改革派に占拠され父は処刑され、ブランシュは元の自分の家の女中に甘んじるしかありませんでした。迎えに来たマリーをも拒絶したブランシュですが、町で仲間の修道女たちが逮捕されたという噂を聞き、にわかに処刑場に駆けつけます。
広場では群衆に囲まれ、修道女たちは聖歌を歌いながら一人ずつ断頭台で処刑されてゆきます。最後のコンスタンスは、断頭台に向かう前にブランシュの姿を見つけ微笑み、ブランシュは彼女の消えた聖歌を引き継いで歌いながら後に続きます。



お薦め動画(カルメル会修道女の対話)

こんな怖ろしいレアなオペラなのに、動画はYouTubeに山ほど豊富ににあるんです! 不思議ですね〜〜

●最新! 2013年 パリ・シャンゼリゼ劇場
一流フランス人歌手がズラリと揃った素晴らしい公演で、どうだっ!という豪華キャスト! これを聴いてしまったら、「言葉」にかけては他の上演は見劣りしてしまいます。
(ただ、キャラ的にはプティボンとピオーの役は逆のような気がするんだけど・・・ま、いっか)

ブランシュ:パトリシア・プティボン
マリー修道女長:ソフィー・コッシュ
コンスタンス:サンドリーヌ・ピオー
新修道院長:ヴェロニク・ジャンス

※残念! 全曲版が削除されたので、部分的に・・

●アヴェ・マリア



●フィナーレ 処刑シーン (サルヴェ・レジーナ)



●1999年 フィナーレ こちらはプティボンがコンスタンスです。(やっぱり元々はこっちだったんだ・・)



●全曲 日本語字幕付き 1998年 サイトウ・キネン・フェスティバル松本 指揮:小沢征爾
パトリシア・ラセットはまだスターになる前だと思いますが、演技派の彼女はブランシュにぴったりですね!



●1957年 イタリア語版初演時の録音(音声のみ) スカラ座 全曲



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