キリストの幼時(ベルリオーズ)
L'Enfance du Christ (Berlioz)
作品紹介(キリストの幼時)
”ベルリオーズは、オペラではないけれど「劇的物語」「劇的交響曲」と名付けた声楽つきの作品をいくつか作っていますが、この「キリストの幼時」は、隠れた佳作です。
ベルリオーズ独特の「狂気」はなりを潜め、むしろ穏やかな慈愛に満ちた音楽で、疑似古典的なメロディーが温かく、フランス語の雰囲気と共に何ともいえず美しい。
イエス様が幼い頃に、ヘロデ王に追われたヨゼフとマリアが幼子を連れて出奔する話です。
清廉なヨゼフとマリアが、苦難にも屈しない毅然とした姿が感動的です。
当然オペラではないので、通常の演奏会形式で上演されますが、是非お聴きになってみてください。清らかな気持ちになることうけ合いです! 例えば・・
〜 長い旅路の途中、聖家族は泉のほとりで休息をとります。マリアは言います。
「ご覧なさい、この柔らかい草花の敷物を!主が私たちの息子のために砂漠に敷いてくださったのです」 〜
この神々しいシーンは、なんとテノールの語り手によって歌われます。
アラーニャの感動の名唱でお聴きください。
●聖家族の休息 "le repos de la Sainte Famille" ロベルト・アラーニャ
※「聖家族の休息」の歌詞と訳を マイナーアリアの対訳集 のページに載せています。
●2本のフルートとハープのためのトリオ
マリアとヨゼフが旅の途中、一夜の宿を探すも断られ続け、やっと迎え入れてくれた家で、もてなしの演奏をしてくれる大変美しい曲です。
●羊飼いの聖家族への別れ シャルル・ミュンシュ指揮
●全曲 2013年 サンドニ音楽祭
指揮:ジェームズ・コンロン、ステファン・ドゥグー、ステファニー・ドゥストラック
●音声のみ全曲 1969年 フランス国立放送管弦楽団
指揮:ジャン・マルティノン、アラン・ヴァンゾ、ジャーヌ・バルビエ、ロジェ・ソワイエ
●クリュイタンスの名盤はこちら(音声のみ)
まさにフランスの香気が素晴らしく、歌手陣も完璧な布陣で、私のお気に入り盤です。
(ニコライ・ゲッダ、ロス・アンへレス、ロジェ・ソワイエ、エルネスト・ブラン)