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作曲者別

マノン (マスネ)
    Manon (Massenet)



作品紹介(マノン)

マノンはマスネの代表作であるばかりでなく、フランスオペラの代表作といわれることさえある作品です。
確かにパリを舞台にしたこのオペラは、当時のフランスの瀟洒な風俗や耽美的な趣向をよく表しており、マノンの歌う歌もシャンソン風で芳しいパリの香り!

フランス人は愛国心が強いわりには意外に異国情緒好きで、フランスオペラも多くは異国を舞台にしたストーリーが多いのですが、その点からも、マノンは珍しい正真正銘の自国もの。
初演当時は大ヒットとなり、何百回も上演されたそうです。

ちょっと現代のミュージカル風な音楽がとても粋で、お洒落で、当時としては素晴らしく新しかったのだろうなと思います。とても100年以上前に作られた音楽とは思えません。

ただ難点は、、、このオペラを観た結構多くの(日本)人が、「こんな不埒で馬鹿な女の、いったいどこがいいんだ!?」と思う、ということ。
男にチヤホヤされることが何より大好きで、着飾って町を歩いて注目を浴びては悦に入り、愛する人を金のために一瞬で裏切り、そのくせその男が自分のことを忘れたと知るや、駈けつけて執拗に誘惑する・・・  なんじゃい、この女は!

と、思うのも無理はないのですが、しかしこの享楽的で美しくも愚かなマノンは、当然のように破滅の道を歩み、最期は売春婦として流刑になり、ボロ雑巾のように、あるいは虫けらのように死んでいく様は、まったく哀れです。

美しく、愚かで、哀れ。そして「パッと咲いてパッと散った」破滅的な魔性のマノンに、次第に魅せられ憑かれてゆきます。
特に、3幕サン・シュルピス神学校のシーンはすごい! 古今東西あまたオペラがあれど、女が男を誘惑する強烈さにかけては間違いなくナンバーワンではないでしょうか。(これに比べたらカルメンの誘惑なんてかわいいもの)

神父になった元恋人のいる教会に華美な服のままおしかけ、拒絶されながらもすがりつき、、愛してると連呼し、甘い歌で誘い、ここまで捨て身でなりふり構わず執拗なアタックができるのは、世界広しといえどマノンだけ、アッパレお見事!です。
シャンソン風の歌もなんとも魅惑的で、これで落ちなきゃ、そりゃ男じゃないわな〜

「帰れ、君の来る場所ではない!」
「どうか許してください、罪深い女でした。でも、愛し合った日々は真実、どうか思い出して」
「すべて砂上の絵、愚かな夢だった。もう君は私の心から消えた」
「カゴから逃げた小鳥は、夜になれば恋しい古巣に帰って来ますわ」
「だめだ!」
「それなら私は死にます!死んではだめなら、あなたの愛をください」
「無理だ、彼はもう君のために死んだ!」
「いいえ、まだ生きているわ、どうぞ思い出して!私を見て。あの時のマノンではありません? あなたが抱いてくださったのはこの腕ではありません?、あなたを見つめたこの瞳、あなたを呼んだこの声、どうか思い出して!マノンではなくて?」
「神よ、試練に耐えさせ給え!」 「ジュテーム!」
「ここで愛を語るな!神への冒涜だ!」 「ジュテーム!」
(鐘の音)「祈りの時間だ、行かなくては」 「いやっ!私を置いていかないで!」
「私を見て、あの時のマノンではありません?あなたが抱いてくださったこの腕ではありません?あなたを見つめたこの瞳、あなたを呼んだこの声、どうか思い出して!マノンではなくて?」


・・・そういう難しい役なので、当然マノン役の歌手に負うところが大変大きく、イマイチの歌手で聴く(観る)と、本当に「どこがいいんじゃい!」になってしまうのですが、その点最近のオペラ歌手は誠に美しく、演技力も女優並みで凄いです〜

特にアンナ・ネトレプコの魅力的なこと!!「この役のために生まれてきた」という宣伝文句も、あながち嘘ではありませんよ! (いや、むしろこのオペラ自体が彼女のためにある、と言うべきかも) ベルリンやウィーンなどいくつかの公演の動画がアップされていますが、どれも本当に素晴らしい。(ご出産後の2012年の映像もアップされていますが、それよりも若い頃のの2007年のものが絶対お薦めです)

最初の幼いピチピチマノンから、妖艶な女王様に変化し、哀れな罪人の最期まで、それはそれは見事な演じっぷりで、艶やかな美貌と姿態にはもう目がくぎ付けです〜
今までマノンを軽くみていた方も、現代の息吹を得て蘇ったたネトレプコのマノンを見た日には、ちょっと認識が変わりますよ!!


→ マノン(マスネ) 詳しいあらすじはこちらから

→ マノン(マスネ)とマノンレスコー(プッチーニ)の違い


お薦め動画(マノン)

●サン・シュルピス神学校のシーン N'est-ce plus ma main  (アンナ・ネトレプコ 2007年ベルリン)
法衣にとりすがっての懇願がお見事!
(むんずと掴まれた時のビリャソンの怯えっぷりも素晴らしく、何度見ても笑えます・・)



●もひとつ、別の公演でのネトレプコ (2007年 ウィーン)
こっちの相手役はアラーニャ。さらに官能的であります・・



●ガボット Je marche...Obeissons 「私が女王のように街を歩けば」 (マノンの本領発揮の歌です)
なんとまあ、美しい女王様でしょう!!



●同じくネトレプコのガボット こちらは白いお衣装で。合唱団もみな見とれちゃってます。



●順序は逆になるけど、最初のデ・グリューと出会い「パリに逃げよう!」のシーン。
まだ無邪気で幼いマノンが可愛いネトレプコ。(見事に演じわけてます!)
「a Paris!」 がミュージカル風で、とても楽しい!この公演は本当に舞台と衣裳がお洒落で素敵です。2人が一目で恋に落ちるシーンがいいわ〜 パリジャン風のアラーニャと跳ね回るお転婆娘の掛け合いが何とも楽しい傑作映像です。

※動画が削除されたので、YouTube全曲版のそのシーンからご覧ください。→ マノン



●2幕 パリの愛の巣
この冒頭の音楽は、なんて洒落てることでしょう。まさにパリの香り。



●「さよなら小さなテーブル」 別れを決意し、ささやかな愛の巣に別れを告げる歌



●デ・グリューのアリア En fermant les yeux 「目を閉じれば」 
さすが、フランス男の面目躍如! アラーニャの得意技、裏声使いでアンナちゃんもウットリ。



●これもデ・グリューのアリア Ah fuyez douce image 「消え去れ優しい面影よ」  ロベルト・アラーニャ
神父になったデ・グリューが、マノンを忘れようと苦しむ歌(アラーニャの神父姿は全然似合ってませんが・・・)




●そしてラストシーン、涙なくしては見れません!!!
この最終幕の音楽は、本当に美しい! このうえもなく優しい、マスネならではの素晴らしいメロディーです。



●ガボット Je marche...Obeissons (ナタリー・デッセイ) 2004年
ナタリーは華奢で健気な雰囲気があるため、魔性のマノンには合わないのかもしれないけど、でもとてもチャーミングで捨てがたい。(フランス語も美しいし)



●ナタリー・デセイ&ステファノ・セッコ  サン・シュルピス神学校シーン
ネトレプコとはまた違った、たおやかなマノンで、これも良いと思います。



●全曲版 (2007年 ウィーン) ネトレプコ&アラーニャ



●全曲版 (2007年 ベルリン) ネトレプコ&ビリャソン



●キャラ的にネトレプコに敵うマノンはいないと思ってたけど、新たな人材を発見。ソーニャ・ヨンチェヴァ、彼女もそうとうキテます!





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