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作曲者別

パリの生活 (オッフェンバック)
    La Vie Parisienne (Offenbach)


作品紹介(パリの生活)

「パリの生活」は、「パリの喜び」とゴッチャにされることが多いのですが、「パリの生活」はオペレッタで、「パリの喜び」はバレエ音楽です。
バレエ音楽の方は、オッフェンバックの死後にロザンタールという人がオッフェンバックの数多くのオペレッタ・オペラの中から有名な曲を集めてバレエ用に編曲したもので、彼ならではのメロディーが凝縮されいます。

※バレエ音楽「パリの喜び」については、こちらのページに詳しく紹介していますので、ご覧ください。

で、そのバレエ音楽「パリの喜び」の中には、このオペレッタ「パリの生活」の中の曲が一番たくさん登場します。下に動画を載せているブラジル人のパリ讃歌とか「トゥルネ、トゥルネ〜」の曲とか手袋やの歌とか最後のカンカンとか。なので、ますますゴッチャにされるのです。(なおパリの喜びには、他にも天国と地獄ホフマン物語美しきエレーヌぺリコールなど、様々な作品の曲が使用されています。バレエを習っているお嬢様方には聞き覚えのある曲ばかりでしょう)

オッフェンバックはパリで活躍し、最も19世紀のパリらしい生き生きとした音楽を書いた作曲家ですが、生まれはユダヤ系ドイツ人です。しかし、若い頃パリに出てきてからは殆ど終生をパリで暮らし、誰よりもパリを愛した名誉フランス人と言ってよいと思います。

その彼が書いたパリ讃歌。
もっとも・・・パリ讃歌とは言っても本当にパリ讃歌? むしろおちょくってる? けなしてる? いやいや、それでも彼は誰よりもパリを愛し、讃えていたと思います!

19世紀のパリ。花の都と言われ、芸術や文化の中心でもあり、享楽的な不夜城でもあり、世界中の憧れの対象だったパリを、オッフェンバックならではの軽妙さと、風刺で描いた作品。

ストーリーは、田舎から出てきた金持ち(スウェーデンの男爵という設定ですが、ドイツで上演される時はドイツ人だったりする!)が、憧れのパリでアヴァンチュールを楽しもうとワクワクしているのを、パリジャンたちがカモにして金を巻き上げようとドタバタを繰り広げますが、結局どちらも失敗、最後は奥方にも許されてメデタシメデタシ、フレンチカンカンで幕、という話です。

ところで・・・「パリの生活」っていう日本語タイトルって、少し変よね。別に生活が描かれてるわけではないのです。La Vie というフランス語は、英語のLifeと同じで、「生活」「人生」「命」等の複数の意味があり、どっちかというとここでは「人生」に近いかな。それに命や生活も混じってるかもしれないけど。でも「パリの人生」でも大袈裟で変なので、なかなか適切な訳がないから仕方ないかしら・・


あらすじ(パリの生活)

ラウルとボビネの二人は共に高級娼婦メテラに入れ込んでいましたが、遊びに金を使い果たし、金の切れ目は縁の切れ目、メテラは別の男へ。未練たっぷりの二人は観光客で賑わうパリの駅で彼女を待ち伏せしますが、男と現れた彼女は二人を一瞥して「こんな人、全然知らないわ」と無視。仕方なく恋は諦めてスッカラカンの懐を満たすべくカモを見つけます。スウェーデンの金持ち男爵夫婦がパリ見物に来たと知り、ガイド役にすり替わり、ホテルと偽ってラウルのアパルトメントに案内します。

男爵は、地元の友人がパリでメテラと遊んで夢のように楽しかったと聞き、彼女とアヴァンチュールを楽しもうと胸を高鳴らせています。もちろんメテラをよく知るラウルは彼女を紹介し、奥方にバレないよう別々にパーティーを催したり観劇に連れて行ったり悪戦苦闘。パーティーといってもお客は使用人たちが変装してのナンチャッテ社交界です。靴屋のフリックや手袋屋のガブリエル、召使たちが侯爵夫人や大佐を熱演しますが、どうしてもボロが出てしまい、男爵を酔いつぶしてゴマかす始末。

ラウルは奥方の方も誘惑して貢がせようとしますが、こちらも失敗。怒った奥方と親戚2人は、ドン・ジョヴァンニの仮面の3人よろしく、男爵とメテラがいるパーティ会場に仮面をつけて乗り込んできます。なんとかメテラと逢瀬をと彼女を口説く男爵ですが、メテラは「私の心は別の男性のものだから」と拒絶。結局メテラは元彼ラウルの元へ、フリックとガブリエルもカップル成立、奥方も哀れなご主人を許して大団円。パリの夜はフレンチカンカンで華やかに更けてゆきます。



お薦め動画(パリの生活)

お薦め動画は、2007年のリヨン国立歌劇場。

これもまた、オッフェンバックの様々なオペレッタの演出で名高いロラン・ペリーのプロダクションです。
時代設定を現代に変えた演出は数々あれど、ここまで「今」なのは珍しいかも。
まさに21世紀、現在のパリの街、ファッション、スタイルで描かれていて、かっこいい!

冒頭のサン・ラザール駅の場面は、シャルル・ドゴール空港になっていて、エルメスとかプラダとか風のファッションや航空会社やポリスの制服、看板や車も完全に「今のパリ」なのです。
パリ名物、公共機関のストがあったり、男爵夫人が「オペラで人気の歌手を聴きたいわ」と歌うシーンでは、「デッセイやバルトリを聴きたいわ」なんて歌ったりが楽しい。
欲を言えば、これで歌手にスターがいればね。まさに「デッセイやバルトリが聴きたいわ」です。

ちなみにこの作品は、1991年にも同じリヨンの公演がDVDになっていて、日本語字幕版も出ています。こちらも現代風演出ですがまだ20世紀の情緒が。ほんの10数年で、20世紀から21世紀に変わっていることを感じます。


●こちらから全曲  2007年 リヨン国立歌劇場  18本の動画のプレイリストになっています。



●1幕 ブラジル人のパリ讃歌
パリに降り立つ大勢の観光客を代表して、パリへの憧れと歓びを歌います。
(せっかくの有名曲だけど、この歌唱はちょっとイマイチですが・・)



●2幕 お腹が減った!の合唱



●3幕 男爵が酔いつぶされるシーン
トゥルネ、トゥルネ、トゥルネ〜♪(回れ) ドンセ、ドンセ、ドンセ〜♪(踊れ)の楽しい歌



●フィナーレ、バカ騒ぎのカンカン
ブラジル人がサッカーのブラジルユニ着てるとこがナイス




●靴屋と手袋屋のデュエット (これは1991年リヨン版がアップされてるので、こちらがお薦め)

ラウルの家に出入りの業者(靴屋のフリックと手袋屋のガブリエル)が、鉢合わせして口説き口説かれる歌。
ガブリエルの歌の歌詞が何とも洒落てるんですよ〜 このソプラノもコケティッシュで雰囲気ある。

「私は手袋屋」「僕は靴屋」 「一番の腕利きの手袋屋よ」「僕だって一番の靴屋さ」・・・と笑いだしてシンパシーが芽生え・・


「紳士に一番大切なのは靴さ」
「あら、一番肝心なのは手袋よ」
「いや靴だって」
「いいえ、手袋!」

「昔、男は愛する人の手袋を盗んだものよ。サッと隠して熱いキスをするの。大切な宝物のように手袋を抱きしめて、恋が醒めても思い出になるのよ。恋がすっかり終わってしまった後、黄ばんだ手紙と一緒にその手袋が戸棚の奥から出てくるけど、小さな手を思い出すためにとっておくわ。

今では靴もとっておくのかしら。彼らがお爺さんになったら戸棚は靴でいっぱい!時々懐かしくなって戸棚を開けて眺めてこんなふうに言うのね。『これは○○夫人の靴、カーニバルの夜に心を捧げた時のもの、これは金髪の可愛い子、これは侯爵夫人・・・』 ああ、なんて哀しい思い出・・でもだから古びた靴や手袋は神聖なものなのよ」



●1991年リヨン版 全曲



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