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作曲者別

タイス(マスネ) あらすじ  STORY



あらすじ(タイス)


(1幕)

舞台は4世紀のエジプト。
砂漠にある修道院では、修道僧たちが粗末な食事にも神の恵みに感謝しながら祈りを捧げています。旅に出てしばらく戻らないアタナエルはどうしたのだろう、彼にも神の恵みがありますよう、と祈っているところにアタナエルがボロボロの姿で戻ってきます。

「お帰り、さあ休みなさい」と言う彼らに、アタナエルは苦渋の表情を浮かべ「私の心は苦しみでいっぱいだ。故郷アレクサンドリアは、娼婦タイスによって堕落し、男たちは地獄に墜ちている!」 そして修道長にタイスを神の道に導きたいと願い出ます。「恥を忍んで告白すれば、若い頃私は彼女を知っていて、彼女の家の前まで行ったことがあるのです。しかし罪を犯しそうになるのを神が守ってくれました。彼女の魂を救いたいのです」と訴えますが、修道長は「我々は決して俗人と交わってはいけない」と許しません。

その晩アタナエルは夢を見ます。タイスが艶やかな姿でアタナエルを誘惑する夢に驚いた彼は、「神よ、どうぞお助けください。私は彼女を救いたいのです。彼女をお預けくだされば、あなたの許へお返しします!」と、アレクサンドリアに戻る決意をします。

アレクサンドリアに着いたアタナエルは、町の様相を嘆きます。「私の生まれた町、故郷アレクサンドリア。その富や虚飾を私は憎む!」
そして、旧友を頼ってニシアスの館へ行きます。ニシアスは再会を喜び、「獣のような」姿のアタナエルに身ぎれいな服を貸してくれます。

タイスを知っているかと尋ねると、「知っているも何も、俺の女だ。あと1日だけだがね。大金を貢いだが、タイスはすぐ夢のように消え去る・・」彼は金によって1週間だけタイスを買っていたのです。アタナエルが彼女を神の許へ連れて行きたいと言うと、「何をバカな、彼女はヴィーナスの巫女だぞ!」と笑いとばします。

ニシアスの館での夜会が始まり、大勢の客人と共にタイスが現れます。その華やかな美しさに賞賛の声があがります。
「C'est Thais(私はタイス)・・・今日で最後だけど来たわ。明日はもう貴方のものではないけれど、この1週間は素敵だった。今夜は陶酔に身を委ね、そしてすべて忘れましょう。明日残るのは、名前だけ・・・」

ニシアスに絡みつくタイスを射るような眼差しで見つめるアタナエル。その視線に気づいたタイスは、「あれは誰?どこから来たの?」と不安気に尋ねます。「君を改心させるために来た」と言うアタナエルに、「私は愛しか信じないわ、あなたはどうしてそんなに頑ななの?哀れな人!」と鼻で笑います。「罪深い女!必ず救うぞ!」と言うアタナエルと、「愛がすべて、愛こそが真実!」と嘲笑するタイスと客人たちのアンサンブルで幕。


(2幕)

タイスの寝室。
宴が終わって自室に戻ったタイスは、鏡の前で独白します。(鏡のアリア)
「私は結局一人。男はみな粗野で何も分かっていない。華やかな姿でも心は虚しい・・・ああ鏡よ、どうか言ってちょうだい、私は美しいと、永遠に美しいままだと! ・・・ああ、でも酷い声が聞こえるわ。おまえは日々老いてゆき、いつかタイスでなくなるのだ、と!」

そこへアタナエルが入ってきます。アタナエルはタイスの美しい姿に動揺し「主よ、私が彼女の魅力に負けないよう、私の前で彼女を輝かせないでください」とつぶやきます。
「おまえを見てよくわかった。おまえを打ち負かすことがどれほど名誉あることか。終わることのない永遠の幸福に導くことが!」
「そんなことを言うならその幸福とやらを見せて頂戴。私はどんな陶酔も知っているわ」
「そんな罪深いものではない、栄光に満ちた永遠の命だ。キリストの花嫁となって永遠に生きるのだ」
「美しいのは私の罪ではないわ!でも、死が怖い・・・」

娼婦の身の空虚さに襲われていた彼女は、永遠の命という言葉に心が揺らぎます。そこにニシアスが彼女を呼ぶ声がし、アタナエルは「夜明けまで外で待っている」と告げて出てゆきます。

(ここで間奏曲として、「タイスの瞑想曲」が演奏されます。タイスの心が変化する様が、美しいヴァイオリン独奏によって見事に描かれます)

戸の外で一睡もせずアタナエルが待っていると、タイスが戸をそっと開けて出てきます。「神様が導いてくれて、来ました。快楽には何の価値もないと知りました」と、すっかり悔悛した口調で言います。
「君を西の地にある修道院に連れて行こう。でもその前に、屋敷も持ち物も全て燃やして灰にし、忘れるのだ」と言うアタナエルに「はい、そうします」と素直に従います。

そこにニシアスたちがやってきます。賭けで大儲けしたと喜ぶニシアスに、「タイスは生まれ変わった」と彼女を連れていくことを告げると、客人たちは「何てことをするんだ、やめろ!」と騒ぎます。そこへ「火事だ!」の声がし、火をつけたのがアタナエルたちと知ると、「殺せ!」と怒りが爆発します。
するとニシアスは、懐から金貨を出して盛大にバラ撒き、その隙にタイスとアタナエルに逃げるように言うのでした。


(3幕)

アタナエルとタイスは、砂漠の中を旅を続けています。照りつく太陽に疲れ果て、足は傷つき、タイスは倒れてしまいます。「歩くのだ!身体を打って罪を償うのだ!」と叱咤していたアタナエルも、タイスの白い足に血が滲むのを見て愛おしさを感じ、水を汲んで来てタイスに飲ませます。

冷たい水で手を洗い喉を潤したタイスは生気がよみがえり、「私の命はあなたのもの。あなたも水をお飲みください」と言いますが、「いや、私はいいんだ、君が生き返るのを見るだけで、たまらなく甘美だ」と優しく答えます。

やがて目指す修道院にたどりつきます。アタナエルは、アルビーヌ院長に「花のない道で迷っていた蜜蜂を導いてきました」とタイスを託し「私の仕事は終わった」と別れを告げると、タイスは「さようなら、永遠に」と言って修道院に入って行きます。「永遠に・・・!」と、もう彼女に会えないことに愕然とするアタナエル。

砂漠の修道院に戻ったアタナエルは、使命に勝利したにも関わらず、虚脱し、何も食べずに朦朧としています。また夢の中にタイスの艶やかな姿が現れ、身体が熱いと呻きます。そして、「タイスはもうすぐ神の許へ行くだろう」という声を聞いて、驚いて飛び出してゆきます。

タイスの修道院に着くと、アルビーヌ院長が「彼女は3か月もの間、眠らずに祈り続け、罪は消えました。彼女は成就し、永遠の光を得たのです」と言いますが、身体は憔悴しきっていました。アタナエルの姿を見つけると「あなたね・・」とほほ笑みます。

「ここへ連れてきてくださった時の道を覚えていますか」
「おまえの美しさしか覚えていない」
「冷たいオアシスの安らぎを覚えていますか」
「ああ、おまえへの鎮まらぬ渇望しか覚えていない!」
「あなたの聖なる言葉で、真実の愛を知りました」
「私は嘘をついた!」
「天国が見える、永遠の朝の薔薇だわ!」
「私は嘘をついた!天国なんてない、愛だけが真実だ!ジュテーム!」

「天国の扉が開いたわ。天使が見える・・・たくさんの花束を抱えて・・・」
「聞いてくれ!私のタイス! ジュテーム・・・ジュテーム、タイス!生きると言ってくれ!」
「素敵な黄金のハープの音、芳しい香りだわ! なんて幸せなのでしょう。もうすべての苦しみは過去のものね」
「ああタイス!私のタイス! ジュテーム! 戻ってきてくれ!」
「ああ、天国だわ!・・・神様!」

タイスは法悦の表情で息絶える。悲嘆するアタナエルで幕。




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