アンナ・ネトレプコ (ソプラノ)
Anna Netrebko 1971年生まれ
ロシア人のアンナ・ネトレプコを「フランスオペラの名歌手」に分類するのは、まったく無理があるのですが、それでも「マノン」を観た日から、彼女の強烈な魅力に夢中になってしまったので、無理を承知で入れてます。
まずは是非、マノンの映像をご覧ください。
彼女こそがマノン。
そして、今までわりと軽んじられていた「マノン」という作品がネトレプコのおかげで再認識され、マスネの作品の魅力を世界中に知らしめてくれたという点で、私は彼女にとても感謝しているのです!
とにかく捨て身の演技が、マノンの捨て身さと相まってパワー爆発!「魔性の女」の説得力十分。
美声と美貌を兼ね備えただけでなく、人懐こい笑顔やしぐさが何ともチャーミングで、セクシーだけどなお茶目なマノンに魅了されます。
フランス語の発音はイマイチだけど、彼女に限っては可愛いから許しましょう。
ちなみにYouTubeには2012年のメトのマノンも出ていますが、ご出産前のホッソリ可憐な2007年の映像が絶対おススメです!
ネトレプコのフランスオペラのレパートリーは、マノン以外ではロミオとジュリエット。
この作品も、ヒロインの魅力が重要という点でマノンと同じですね。
独身時代のロミジュリの映像は、玉を転がすような美声といい、同じく玉のように滑らかなお肌といい、それはそれは麗しいジュリエットです。ただ残念なことに、結婚・出産後に結構太ってしまったこともあり、また声も少し重くなってしまったので、もうジュリエットは歌わないと言っているそうです
それから、ホフマン物語もメトで歌っていますが、これがなぜかアントニア役。残念ながら彼女はアントニアのキャラじゃありませんねえ。清純可憐なアントニアよりは、ジュリエッタ(魔性の女)の方が合ってる。
今までジュリエッタ役はやってないようですが、録音ではバルカロールを歌っています。(ガランチャとの録音風景の動画を下に載せてあります)
それと、産後にカルメンのミカエラも歌っていますが、これこそOh〜No〜!のミスキャスト。ト書き通りにおさげ髪に青いスカートはいてるのが申し訳ないくらいで、これはもう見納めでしょう。
ネトレプコの声は滑らかだけれど変化に乏しく平板だ、と言う人もいますが、それもまあ、一理はあります。彼女の魅力は容姿や演技も含めてなのですが、でも彼女の玉のような声はやはり人を引き付ける魅力があると思います。
私はネトレプコの声を聴くと、いつもピンク色が目に浮かぶんですよ。濃いピンクではなく、淡く優しい薄ピンク、やわらかい桃のような、ウサギのぬいぐるみのようなフワフワのピンク色が。こんな可愛らしいオーラのある声はなかなかないですねえ。(追記:近年はだいぶ声が重くなり、ピンク色のイメージとは変わってきましたが・・)
今は可愛い坊やの育児で大変でしょうけれど、素敵な旦那様(バリトン歌手アーウィン・シュロット)と末長く幸せでいてほしいです。 坊や(ティアゴ君)はアンナそっくりのクリクリお目々でとっても可愛いんですよ。細身だった旦那様も、アンナに合わせて太ってくれたようで、とても仲が良さそうです。この幸せを得るためなら、多少の犠牲(お身体と声がちょっと重くなったこと)は仕方がないですね。
※追記: シュロットとは残念ながら別れたそうで(正式には結婚していなかったそう)、その後2015年にテノールのユーシフ・エヴァゾフ(Yusif Eyvazov)氏と結婚しています。
お薦め動画
●2007年 マノン ガボット Je marche...Obeissons 女王様マノンの艶姿です。
●ホフマンの舟歌 (バルカロール) with エリーナ・ガランチャ
素敵ですね〜(この二人では、ラクメの花の2重唱も歌っていてこれも大変美しいです)
※「ホフマンの舟歌」の歌詞とカタカナ読み、訳を カラオケdeフランスオペラ のページに載せています。
●ドリーブ カディスの娘たち
花盛りの娘たちが、言い寄る男たちを蹴散らして歌う華やかな歌です。
●フランスオペラではないですが、アンナちゃんの魅力全開の映像があるのでご覧ください。
バーデンバーデン・オペラガラでのレハールの歌。
元気! 楽しい!可愛い! 何度見ても思わず笑顔になってしまう最高の動画です。 色っぽいけど、元気な色っぽさがいいですね。客席に花を投げ入れてるのも、なんとなくスタンドにボールを投げ入れる野球選手を連想。靴を放り投げての踊りも可愛いし、コンマス氏にすり寄る茶目っけには大笑い。
●アンナちゃんドキュメンタリー
ロシア語の番組なので、言ってることはサッパリわかりませんが、アンナちゃんの魅力たっぷりの映像、歌が山盛り!最初の彼女が弾くトンデモ猫踏んじゃっただけでも、一見の価値ありますよ〜 元彼とのラブラブ映像が入っているのもご愛敬(?)
●ドヴォルザーク ルサルカより 月に寄せて
どんどんフランスオペラから離れてますが・・・(ほっそりして可憐だった頃のアンナちゃんを懐かしんで) とっても素敵な、彼女にぴったりの曲ですよね。本当に人間に憧れる水の精に見えます。。
●2005年 愛の妙薬(ドニゼッティ)、お転婆アディーナの可愛いこと!!
ネモリーノはかつての相棒ヴィラソンですが、どこから見てもMr.ビーンです。
●古い映像ばかりでは何なので・・・2014年のマクベス夫人! おお〜、何というド迫力!
●アンナちゃんのNew旦那さんはどんな人ぞや?という方のために、ユーシフ・エヴァゾフ(Yusif Eyvazov)氏とのデュエット。(動画後半)
2015年 マノン・レスコー(プッチーニ)より、マノンとデ・グリューの2重唱。もともとこのマノン・レスコーの共演で出会った二人です。