アルテュス王 (アーサー王)  ショーソン
   Le roi Arthus (Chausson)


作品紹介(アルテュス王)

最初の前奏曲からして、なんとかっこいい音楽でしょう!

フォーレやドビュッシーでも感じることですが、19世紀末を生きたフランスの音楽家たちは、世紀末的な爛熟した音楽ではなく、とても新鮮な先鋭的な音楽を書いていて感嘆します。
このショーソンは20世紀になる直前に事故で早世したそうですが、その音楽はフォーレらと同じような永遠の新しさを感じます。

ショーソンの音楽はワーグナーの影響を受け、「フレンチ・ワグネリアン」と呼ばれることもあるそうですが、しかしその音色はワーグナーのような重くダークなものではなく、やはりフランス的な淡い色彩と、透明に輝く叙情性に満ちています。フィナーレの優しさに満ちた清明な美しさなどは、まさに彼ならではです。

このアルテュス王は、「アーサー王伝説」として古今様々な文学や舞台芸術の対象となった中世の王アルテュス(アーサー)を題材にした物語で、最初の前奏曲だけでなく、2幕と3幕にもそれぞれ印象的な前奏曲がついています。

フランス語では、drame lyrique(叙情劇)という定義になっており、ペレアスとメリザンド(ドビュッシー)、ペネロープ(フォーレ)と並んで、「三大叙情劇」と (私が勝手に)命名させて頂きました~



あらすじ(アルテュス王)

名君アルテュス王はサクソン人との戦いに勝利し、「円卓の騎士」と呼ばれる忠臣たちと栄華を歌い、中でも殊勲の騎士ランスロ(ランスロット)の栄誉を称えます。しかしランスロと王妃ジェニエーヴルは王の目を忍んで禁断の恋に落ちてしまいます。騎士たちは分裂し争いとなり、王妃とランスロは愛と名誉の間で苦しみながらそれぞれ死を選びます。全てを失った王は虚無感に絶望しますが、精霊の声に導かれ、剣を捨てて安らかな聖なる世界に昇ってゆきます。

※詳しいあらすじは、wikipediaをご覧ください → アルテュス王wiki

<参考> リブレット ・・・・ フランス語(原語) 、 英語(対訳)


お薦め動画

(1)指揮:アルミン・ジョルダンのCDより


●前奏曲~1幕冒頭 アルテュス王の勝利宣言と王を讃える人々(音声のみ)
この前奏曲は「ワルキューレの騎行」を思わせるものがありますが、全体は大変叙情的な作品です。



●1幕 ランスロットとジェニエーヴルの禁断の愛の2重唱(音声のみ)



●2幕前奏曲~2幕冒頭(音声のみ) ノスタルジックな印象派風の音楽です。




(2)2015年5~6月にパリ・オペラ座でフィリップ・ジョルダンの指揮で上演されています。


主役3人(ハンプソン、コッシュ、アラーニャ)がとても適役で、オケ・合唱も瑞々しく素晴らしい。演出は現代設定でちょっと変わってますが。。

●3幕 ジェニエーヴルとランスロットの別れ  ソフィ・コッシュ、ロベルト・アラーニャ
フランス人二人の見事な朗唱です。



●3幕 フィナーレ  トーマス・ハンプソン
ハンプソンの歌、演技も素晴らしく、感動的なフィナーレ。ショーソンの音楽はなんと美しく優しいのでしょう!



●全曲 2015年6月2日 パリ・オペラ座
指揮:フィリップ・ジョルダン、トーマス・ハンプソン、ソフィ・コッシュ、ロベルト・アラーニャ

※2回ある幕間に、30分ずつ休憩が入っていますので、飛ばして見てください。



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