ニコライ・ゲッダ (テノール)
Nicolai Gedda 1925年生まれ
昔は、フランスオペラのCDを買うと、殆どがニコライ・ゲッダだった、といっても過言ではないほどでした。ゲッダは様々なジャンルの膨大な数の録音を残していますが、主なレパートリーのひとつがフランスオペラでした。
このサイトでとりあげた作品も、殆どはゲッダが歌っていると思います。
ファウスト、ホフマン、ホセ(カルメン)、ウェルテル、ロメオ、ナディール(真珠採り)、ジェラルド(ラクメ)、デ・グリュー(マノン)、ヴァンサン(ミレイユ)、ファウストの劫罰、トロイ人、キリストの幼時 ・・・etc.
そして、そのどれもが素晴らしい!
リリックテノールで、しかも情熱的かつ知的なところが魅力です。
(知的なテノールってあんまりいませんからねえ・・)
フランスオペラの甘美なアリアを、知的にキリリと歌いあげられる稀有な歌手でした。
スウェーデン人のゲッダは、7ヶ国語に堪能だったそうで、あれだけ膨大な数のレパートリーをあれだけ完成度高く歌えるということからも、常人離れした頭脳の持ち主だったのだと思います。その知性が歌に表れていますね〜
とにかく、録音は膨大な数があるのですが、動画はあまり残ってないのが残念。
ファウストは貴重な映像ですね。ウェルテルも彼らしいです。
ゲッダなき後、彼のようなフランスオペラの名テノールというのが出てくることを待ち望んでいましたが、彼の後の世代でフランスオペラを多く歌っているのは、プラシド・ドミンゴ、ニール・シコフ、グレゴリー・クンデ、ロベルト・アラーニャというところでしょうか。
フランス出身のテノールではアラーニャが大変素晴らしいですが、ゲッダほどオールマイティなテノールは、もう出ないかもしれませんねえ。
お薦め動画
●グノー ファウスト この清らかな住まい "Salut, demeure chaste et pure"
※ この清らかな住まいの歌詞とカタカナ読み、訳を カラオケdeフランスオペラ のページに載せています。
●ファウスト 牢獄シーン 1963年
●ビゼー 真珠採り ナディールのロマンス Je crois entendre encore
※ ナディールのロマンスの歌詞とカタカナ読み、訳を カラオケdeフランスオペラ のページに載せています。
●ドリーブ ラクメ 高貴な儚い幻影よ "Fantaisie aux divins mensonges"
●マスネ マノン "Ah fuyez, douce images" 消え去れ優しい面影よ
●マスネ ウェルテル Pourquoi me rèveiller オシアンの歌(春風よ、なぜ私を目覚めさせるのか)
●オッフェンバック ホフマン物語 クラインザック ”Va pour Kleinzach”
●グノー ミレイユ 天国の天使たちよ
●ビゼー カルメン 花の歌