ホフマン物語 版別 曲目一覧
版によって様々異なるホフマン物語
ホフマン物語は「版」による違いがとても複雑ですが、版ごとにどこが違うか簡単に分かるよう曲目の一覧を作成しました。
主要なアリアや重唱等について、どの版にあるかを○×表記し(☆印は演奏者が選択可能)、各曲の音源へのリンクをつけています。
是非クリック!クリック!して、この名作の素晴らしい曲の数々を聴き比べてみてください。
《ホフマン物語 曲目一覧表》
幕 | 主な曲目 | シュlダンス版 | エlザl版 | ケイ版 | ケック版 | ケイとケック版 | 音源 |
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プロロ|グ | 酒の精の合唱「グル!グル!俺たちはビール、ワイン」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H1) |
ミューズのクプレ「真理は井戸の底から、と言われますが」 | × | ○ | ○ | × | ☆ | (H2) | |
ミューズのアリア(上記クプレに代わり、エピローグ終曲と同一メロディーで歌われる) | × | × | × | ○ | ☆ | (K-1) | |
リンドルフのクプレ「歳はとってるが元気モリモリじゃ!」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H3) | |
学生たちの合唱「夜明けまで酒を浴びるぞ」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H4) | |
ホフマンのシャンソン「クラインザックの歌」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H5) | |
ホフマンとリンドルフの舌戦(掛け合い) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H6) | |
オランピアの幕 | ニクラウスのロマンス | × | × | × | ○ | ☆ | (K-2) |
ニクラウスのクプレ(1)「ガラス玉の目の人形は」 | ○ | × | ○ | × | ☆ | (H7) | |
ニクラウスのクプレ(2)上記と歌詞はほぼ同じ、旋律違い(オッフェンバックが同じ歌詞に2つの曲を作っている) | × | ○ | × | ○ | ☆ | (K-3) | |
コッペリウスのシャンソン(本来はダペルトゥットのシャンソンの曲) | ○ | × | × | × | × | (C-1) | |
私はコッペリウス〜目玉の三重唱(コッペリウス、ホフマン、ニクラウス) | × | ○ | ○ | ○ | ○ | (H8) (H9) |
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夜会の客たちの合唱「お嬢さんをご紹介くださいな」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H10) | |
オランピアのクプレ「人形の歌:シャンソン・ド・オランピア」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H11) | |
ホフマンのロマンス「二人で生きよう希望と共に」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H12) | |
アントニアの幕 | アントニアのロマンス「逃げてしまった雉鳩は」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H13) |
フランツのクプレ「昼も夜も四つ裂きの刑」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H14) | |
ニクラウスのロマンス「見ろ、震える弓の下で鳴る・・」 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | (H15) | |
ホフマンとアントニアの二重唱「未来は二人のもの」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H16) | |
ホフマンとアントニアの二重唱「これは哀しく飛び去る愛の歌」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H17) | |
ミラクル医師登場三重唱(ミラクル、ホフマン、クレスペル) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H18) | |
ミラクル医師「もう歌わないだと?」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H19) | |
フィナーレ三重唱(ミラクル、アントニア、母の声) | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H20) (H21) (H22) |
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ジュリエッタの幕 | 間奏曲(ホフマンの舟歌の旋律で、オーケストラのみ) | × | × | ○ | × | ☆ | (H23) |
「ホフマンの舟歌」ジュリエッタ、ニクラウスの二重唱 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H24) | |
ホフマンのシャンソン「酒の歌」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H25) | |
ダペルトゥットのアリア「煌めけダイアモンド」(オッフェンバックの作ではない。「月世界旅行」の旋律を元にガンズブールが作る) | ○ | × | × | × | × | (C-2) | |
ダペルトゥットのシャンソン「回れ回れ鏡よ」(シューダンス版ではコッペリウスのシャンソンの旋律) | × | ○ | ○ | × | ☆ | (H26) | |
ダペルトゥットのシャンソン(上記に代わる曲だが歌詞も異なる)エーザー版では別シーンの旋律 | × | △ | × | ○ | ☆ | (K-4) | |
ジュリエッタのアリア(1)「愛の神はこう言うわ」 | × | × | ○ | ○ | ☆ | (H27) | |
ジュリエッタのアリア(2)上記と歌詞は同じ、旋律違い(オッフェンバックが同じ歌詞に3つの曲を作っている)エーザー版では歌詞違い | × | △ | × | × | ☆ | (K-5) | |
娼婦の合唱つき賭博の四重唱(オッフェンバックの作ではない。「ラインの妖精」の旋律を元にエーザーが作る) | × | ○ | × | × | × | (O-1) | |
ホフマンのロマンス「おお神よ、何という陶酔」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H28) | |
ホフマンとジュリエッタの二重唱「今日は涙にくれても明日は天国」 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H29) | |
合唱つき六重唱(ホフマン、ジュリエッタ、ニクラウス、ダペルトゥット、シュレミール、ピティキナッチョ)(オッフェンバックの作ではない。舟歌の旋律を元にガンズブールが作る) | ○ | × | □ | × | × | (C-3) | |
フィナーレ「見ろ、影がない!」 | × | × | ○ | ○ | ○ | (H30) (H31) (H32) |
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エピロ|グ | 学生たちの合唱「恋よ、その苦しみを忘れよ」 | × | × | ○ | ○ | ○ | (H33) |
ホフマン「クラインザックの歌」の断片+学生たちの合唱 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | (H34) | |
ホフマンのロマンス(ジュリエッタの幕のロマンスと同じ旋律) | ○ | × | × | × | × | (C-4) | |
ステラの歌「私の愛を嘲笑うのね」 | × | × | ○ | ○ | ☆ | (H35) | |
ステラの歌「昔を思い出して」〜ホフマンとステラの二重唱 | × | × | × | ○ | ☆ | (K-6) | |
ミューズの歌「恋の悦びと夢を忘れなさい」(ケイとケック版ではオランピアの幕のニクラウスのロマンスの旋律) | × | ○ | × | × | × | (O-2) | |
ミューズの歌「心の灰から才能を再燃させなさい」 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | (H36) | |
ミューズの歌「人は愛によって大きくなり涙によってより大きくなる」 | × | × | ○ | ○ | ○ | (H37) | |
全員合唱「人は愛によって大きくなり涙によってより大きくなる」ステラ、ミューズ、ホフマン、リンドルフ、合唱 | × | ○ | × | ○ | ☆ | (K-7) | |
全員合唱(上記と同じ旋律だが歌詞が各人異なる)ステラ、ミューズ、ホフマン、リンドルフ、合唱 | × | × | ○ | × | ☆ | (H38) |
☆:オッフェンバックが複数作っている曲は、演奏者が選べる。(ケイとケック版の方針)
□:オッフェンバック作ではないが、名曲のため歌詞を変え別シーンに移して残した
注:ケック版については資料不足のため不正確の可能性あり
※各版の経緯や、それぞれのお勧め動画は下記ページをご覧ください。
→ 版の経緯(年譜)
→ あらすじ・作品紹介
→ お薦め動画 (旧版:シューダンス版:1981年ROH)
→ お薦め動画 (新版:ケイとケック版/エーザー版)
主に参考にしている音源
●マイケル・ケイ版 全曲(スタジオ録音)
ケイ版を編纂した音楽学者マイケル・ケイ監修による全曲録音。新版のスタジオ録音としては最も新しいと思われる。
1996年 ケント・ナガノ指揮、リヨンオペラ座
ロベルト・アラーニャ、ナタリ・ドゥセ、レオンティーナ・ヴァドゥヴァ、スミ・ジョー、ジョゼ・ヴァン・ダム、ミシェル・セネシャル
●ケイとケック版 全曲(最新版での上演ライブ映像)
2013年 ステファン・ドゥネーヴ指揮、リセウ歌劇場
マイケル・スパイアーズ、ナタリ・ドゥセ、キャスリーン・キム、タチアナ・パヴロフスカヤ、ロラン・ナウリ
●ケイとケック版 全曲(ライブ音源)
2012年 マルク・ミンコフスキ指揮、パリ・サル・プレイエル
ジョン・オズボーン、ソーニャ・ヨンチェヴァ、ロラン・ナウリ、ジャンポール・フシェクール
●エーザー版 全曲(スタジオ録音)
エーザー版としては充実の録音だが、この時点ですでに新たな自筆譜が発見されている。
1988年 シルヴァン・カンブルラン指揮
ニール・シコフ、アン・マレー、ルチアーナ・セッラ、ロザリンド・プロウライト、ジェシー・ノーマン、ジョゼ・ヴァン・ダム
●シューダンス版 全曲(スタジオ録音)
20世紀に長く上演されていた旧版。冒頭のミューズのクプレや、ジュリエッタの幕、エピローグは本来の曲が殆ど欠落している。
1964年 アンドレ・クリュイタンス指揮 ニコライ・ゲッダ