ラ・ペリコール(オッフェンバック)
    La Perichole (Offenbach)


作品紹介(ラ・ペリコール)

このラ・ペリコールはあまり知られたオペレッタではありませんが、中に2曲有名な歌があり、その2曲のイメージでとても洒落た印象があります。

1曲は、「いとしい人よ(手紙の歌)」という、ペリコールが恋人に別れを告げるとても美しい歌で、序曲にも登場します。この曲はバレエ音楽「パリの喜び」の中にも入っているので、これでバレエを踊ったことがある、聴いたことがある、という人も多いと思います。甘く切ない素敵な歌です。(別ページに歌詞と訳を載せています)

もう1曲は、「ほろ酔いの歌」の邦題で知られる、ペリコールが総督邸でご馳走にあやかり、酔っ払って上機嫌で歌う楽しい歌です。

どちらもちょっとシャンソン風で、フランスの現代のミュージカルに出てきてもおかしくないような洒落た歌で、ああ、今のフレンチポップスの源泉が確かにここにある! と思ってしまいます。

しかし、他にもオッフェンバックらしい切れのよい快活な歌がたくさんあり、特に3幕の牢獄でのペリコールとピキヨと総督の3重唱や、その後の脱獄した後のアンサンブルなどもとても素晴らしいと思います。

このペリコールの動画は、1982年のマリア・ユーイングでの上演が日本でもDVDになっている名作です。ユーイングのコケティッシュなペリコールと、わいわい賑やかな雰囲気が楽しい。30年以上も前の映像ですが、十分楽しめます。
先の2曲は、ユーイングの歌もいいのですが、別のなかなか素敵な動画を載せているので、それも是非聴いてみてください!



あらすじ(ラ・ペリコール)

舞台はペルーのリマ。ペリコールとピキヨは町芸人のコンビで恋人同士。お祭りの日に町で歌うもお金は集まらず、空腹で倒れてしまいます。
そこにお忍びで遊びに来た総督が通りかかり、美人のペリコールに一目惚れ。ペリコールは貧乏に耐えかね、ピキヨに別れの手紙を書いて総督のお城へついていき、ご馳走を食べまくります。

手紙を読んで絶望したピキヨは死のうとしますが、総督の部下に「総督の側室の形式的な結婚相手を探している」と誘われ、酔いつぶされてわけも分からずに結婚させられます。酔いが醒めて相手がペリコールだと知ってショックを受けたピキヨは、総督に無礼を働き投獄されてしまいます。
ペリコールは牢獄のピキヨを訪れて変わらぬ愛を告げ、二人で脱獄、怒った総督は町に捜索に出ますが、歌を歌って赦しを乞うペリコールにほだされて最後には二人を許してメデタシメデタシ。



お薦め動画(ラ・ペリコール)

●ペリコール 1982年 ジュネーブ  マリア・ユーイング、ガブリエル・バキエ
ドタバタと賑々しく、楽しい喜劇に仕上がっています。ユーイングとバキエは名演ですが、他の狂言回したちもいい味出してる!
全曲(日本語字幕つきDVDが発売されています)



●いとしい人よ(手紙の歌)  Mon Cher Amant
コミック座で上演されたミュージカル版ペリコール。伴奏もフルオーケストラではなく小規模なバンド風なんですが、これが逆に場末の芸人ペリコールの雰囲気が出てていい感じ! こういうのもオッフェンバックらしくていいなあ。歌は女優であり名歌手のエリーズ・カロンさん。

※手紙の歌の歌詞と訳を マイナーアリアの対訳集 のページに載せています。


全曲



●ああ何というお食事(ほろ酔いの歌)  Ah ! quel dîner  エリーナ・ガランチャ
なんと、われらがガランチャが酔っ払ってかっこよく歌ってくれてます! 素敵〜〜



●セギディーリャ (ペリコールとピキヨのデュエット)
ロベルト・アラーニャ、ロクサーナ・コンスタンティネスク
町芸人の二人が、投げ銭稼ぎに街角で歌う陽気な歌。男がモテ女に言い寄るが、かわされるという内容です。



●全曲
2000年 パリ・オペラコミック座 ミュージカル版ペリコール。演出:ジェローム・サヴァリ



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