ノートルダム・ド・パリ(ミュージカル)
Notre Dame De Paris
作品紹介(ノートルダム・ド・パリ)
ロミジュリよりも前に、1998年パリ初演。フランス発ミュージカルの先駆けとなった作品です。
全編セリフなしの歌オンリー、という珍しいスタイルですが、これも確かにグランドオペラの血を引いたフランス音楽!
2013年3〜4月、日本公演が行われています。しかし残念ながら英語版。
観に行って来ましたが、やはりフランス語であることはそれだけで意味があると再確認。フランス語の言葉の響きは、それ自体が音楽であり芸術であり、私はやはりフランス語そのものが好きなのだ、と。
ヴィクトル・ユーゴーの原作です。ストーリーは、パリに流れ着いたジプシーの中の美しい少女エスメラルダに恋した3人の男(騎士フェビュス、司教フロロ、醜いせむし男のカジモド)の愛と苦悶、男たちの欲望に翻弄され運命を狂わされるエスメラルダの悲劇。
冒頭で語り部的な吟遊詩人が歌う「カテドラルの時代」が有名ですが、他にも Belle、 Vivre、 Danse mon Esmeraldaなど、名曲が目白押しで、次から次へと歌と踊りだけでどんどんつないでゆくので、カッタルいシーンがないのが特徴的ですね。メロディーはどの曲も大変甘く美しく、親しみやすい。
エスメラルダに恋する3人の男が、しょうもない、と言ってはいけません!
恋人がいながら魅力的なボヘミアンに浮気をする不実な騎士、聖職者でありながら欲情にかられて破滅する司教、醜い己を嘆き、神の不公平を呪うせむし男。それぞれ「しょうもない」ですが、そういう「愚かな人間」の刹那の愛や官能や悔恨や嘆きを歌うのが、オペラやミュージカルなのですよ。
作曲者は、Riccardo Cocciante。仏語読みをするとリシャール・コシアント、イタリア語読みではリッカルド・コチャンテ、この両方で呼ばれることがあります。フランスとイタリアのハーフで、両国で活躍するシンガーソングライター。
普通に歌手として人気があったけれど、このノートルダムドパリのヒット後は、ミュージカル作者としても知られるようになったそうです。ナルホド、フランスとイタリアのハーフと言われると、まさにそんな感じ!の美しい旋律ですね。
コチャンテには「マルガリーテ」などの名曲がありますので、最下にその動画も載せてます。
お薦め動画
● Le Temps des Cathédrales 「カテドラルの時代」 フランス語が美しい!
●Belle 「美しい人」 3人の男がそれぞれに美しいエスメラルダへの想いを歌う
●Ces diamants-la 「ダイアモンド」
●Lune 「月」
●Beau Comme Le Soleil 「太陽のように美しい」
●Ou est-elle 「彼女はどこ?」
●Vivre 「生きる」 囚われの身のエスメラルダが、愛ゆえに生きたい!と訴える
●Danse mon Esmeralda 「踊って 僕のエスメラルダ」 ラストのカジモドの歌
●全曲
●おまけ リッカルド・コチャンテ 「マルガリーテ」
切なくも熱烈な恋の歌。コチャンテの絶唱と、聴衆の大合唱が大変感動的です。
●もひとつおまけ コチャンテ「春の鹿」 2009年 アレーナ・ディ・ヴェローナ
これも壮大なヴェローナでの聴衆と一体となったパワーのある歌が素晴らしい。