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作曲者別

ホフマン物語 新版
  ケイとケック版/エーザー版



以前は、上演されるホフマン物語は「シューダンス版」と呼ばれる旧版が主でしたが、1970年からごく最近にかけてオッフェンバックの自筆稿が次々発見され、エーザー版、ケイ版、ケック版、ケイとケック版などの新版が続々発表されてからは、それらの上演が主になってきています。

もっとも旧版も新版も、大筋は違わず8〜9割方は同じなので、そんなに全然違うということはありません。

旧版(シューダンス版)→新版で大きく変わった点

冒頭でミューズがホフマンへの思いを歌い、最後にそれと呼応する歌と全員合唱で幕を閉じる。
幕の順序がジュリエッタとアントニアが逆になっている。
ジュリエッタの幕にジュリエッタのアリアやフィナーレが追加され、ダペルトゥットの鏡のアリアがコッペリウスの歌に差し替わっている。(ジュリエッタの幕はかなり充実度を増しています)
アントニアの幕に二クラウスのアリアが追加されている。
オランピアの幕のコッペリウスの歌に代わって目玉の3重唱が追加されている。(コッペリウス、ホフマン、二クラウス)
エピローグでステラの歌(ケイ版)またはホフマンとステラの2重唱(ケイとケック版)が追加されている。(旧版ではステラは一言も発しなかった)

ただし、発見された自筆稿もピアノスケッチであったり、オッフェンバック自身が同じ歌詞に複数の曲を作っている個所もあったりするので(オランピアの幕の二クラウスのクプレや、ダペルトゥットのアリアなど)、これが完璧な版、というのものは存在しません。

エーザー、ケイ、ケックなどの研究家たちがそれぞれにオッフェンバックの意図を推測したり補って作った版であるため、それぞれ一長一短でもあります。各版の違いを比べたり、好みの部分を見つけたりするのもまた、この作品の楽しみ方、ともいえるかもしれません。

それぞれの版に良さがあります。また、今では完全にオッフェンバックの作でないことがわかっている旧版の部分(グンズブールやギローが補作した曲)も、それなりに良くできてるな〜、とも思います。特にジュリエッタの幕の合唱付き6重唱は秀逸で、これが削除された上演は物足りなさを感じてしまいます。
(ただし、エーザー版のジュリエッタの幕はエーザー自身のオリジナル部分がかなりあるため、自筆稿を元にしたケイ版が出た現在は演奏されることはありません。エーザー版も現在は既に「古い版」となっています)

現在上演されているものも、完全な〇〇版という形よりも、それらを組み合わせた折衷案であることが多く、「上演の数だけ版がある」といってもよいほどです。


→ 版の経緯(年譜)

→ あらすじ・曲紹介

→ お薦め動画 (旧版:シューダンス版:1981年ROH)

お薦め動画(新版)

●ケイとケック版  プロローグ冒頭(ミューズが登場、酒の精の歌)
2010年 プラハ国立歌劇場

(注)この上演中の最初の曲は、ステラが主演中のオペラ「ドン・ジョヴァンニ(モーツァルト)」が勝手に挿入されているもので、オッフェンバックの曲ではありません。




●ケイとケック版   ジュリエッタの幕 フィナーレ
この素晴らしいフィナーレがオッフェンバックの真作のようですが、長年演奏されてきたシューダンス版の合唱つき6重唱(グンズブール作)も愛着があり捨てがたい・・・ということで、6重唱の歌詞を変えて前に置き、このフィナーレと両立させた版がよく上演されます。旧版からのファンとしては大変嬉しい、ナイスな折衷案です。




●ケイとケック版   エピローグ フィナーレ
この温かな終わり方こそ、この作品にぴったりだと思います!
オランピア、アントニア、ジュリエッタも登場し、全員での感動的な合唱で幕を閉じます。

「愛によって人は大きくなり、涙によっていっそう成長する・・・」
「あなたの心の灰の中から、天賦の才が燃え立つでしょう・・・」

※ホフマンも途中から一緒に歌うバージョンも多いです。(一緒に歌う方がいいですね!)

また、一般的に最後から4番目の音が短調の和音になっている演奏が多いですが、この上演では長調になってますね。私は長調のがいいと思います。(最後の最後になって暗い音色が響かない方がよいので)




●エーザー版(全曲) マルク・ラホ、パトリシア・プティボン
冒頭のミューズのクプレがケイとケック版とは違っています。私はオープニングはこの版がいちばん好きです。ジュリエッタの幕は珍しいエーザー版が聞けます。フィナーレの大合唱は、ホフマンも歌う版で感動的。(最後から4番目の和音はここでは短調ですね)
この舞台はオリヴィエ・ビィの前衛的演出で、ややヘンテコリン。




●エーザー版(レヴァイン版?) 2010年 メト
この公演の韓国系のオランピア(キャスリーン・キム)は、キュートなお人形ぶりがとっても可愛い!歌も最高に素晴らしく、今まで見た中のベスト・オランピアです!(これは旧版と変わらない部分)




●ジュリエッタのアリア  マイケル・ケイ版 1996年 ケント・ナガノ指揮CD
このスミ・ジョーによるジュリエッタのアリアは本当に凄い!! あり得ないほど強烈なコロラトゥーラを完璧な超絶技巧で歌いきっていて、絶句! オランピアのアリアよりもずっと難しいと思います。通常は装飾を落として歌われるようです。
(このCDは本当に傑作で、ホフマン物語の全曲版としては、これがベストだと思います。アラーニャのページに録音風景の動画を載せています)




●2011年 バイエルン国立歌劇場(トレイラー)  ローランド・ヴィリャソン、ディアナ・ダムラウ、ジョン・レリエ、アンジェラ・ブラウアー
ニクラウスがヴィリャソンのそっくりさんになってて可笑しい!
これはエーザー版とケイ版の折衷かな。ラストの和音はこれも長調ですね。



●ジュリエッタのアリア 2011年 ディアナ・ダムラウ
この公演では、ダムラウは3役歌っています。どの役もハマってるとこは、さすが現代のディーヴァ!



●セ モア コッペリウス〜目玉の3重唱 (オランピアの幕) ロラン・ナウリ 2011年パリ
このナタリー・デッセイの旦那はなかなか芸達者で声もよく、いいですね!



●二クラウスのアリア(アントニアの幕)  2010年 メト  ケイト・リンゼイ
ミューズのアリアに相応しい曲です。
この役はもともとガランチャが歌うはずだったのが、彼女がカルメンに横滑りしてリンゼイに代ったのだけど、この凛々しい演技で人気アップしましたね〜!





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