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作曲者別

マノン(マスネ) あらすじ  STORY



あらすじ(マノン)

(1幕)

フランスの街アミアン、金持ちの貴族ギヨーが友人のブレティニーや3人の情婦たちを伴って、宿屋で放蕩三昧を楽しんでいます。

しばらくして駅馬車が到着し、まだ15歳のの少女マノンが一人で降り立ちます。浮ついた性格の彼女を心配した家族が、修道院に入れることにしたのです。初めての一人旅は見る物すべて珍しく、修道院に入ることも忘れてすっかり興奮してしまった、と可愛らしく歌うマノン。私はいつも夢ばかり見ているの、と。

従兄のレスコーが出迎えて、初めて会う彼女の美しさに驚きます。ギヨーも早速目をつけて誘いますが、相手にされません。
レスコーが仲間に賭博に誘われて、マノンに「ここで大人しく待っているように」と言い残して出かけてしまいます。マノンは、ギヨーの取り巻きの情婦たちの着飾った華やかな姿が羨ましく、ため息をつきます。「ああ、あんな風に一生遊んで暮らせたらどんなに楽しいかしら!」と、修道院に入る我が身を嘆きます。

そこに、親元へ帰る旅の途中の騎士デ・グリューがやってきます。マノンと瞳が合った瞬間に、「僕の人生は終わった・・いや始まった!」と運命を悟るデ・グリュー。彼の優しく真剣な言葉に、なんて素敵なの!とマノンも一目で恋に落ちます。
彼女が修道院に入れられることを知ったデ・グリューは、一緒にパリへ逃げよう!と誘い、「パリ!」とすっかりのぼせたマノンと二人、ギヨーの馬車に乗り込んで逃げてゆきます。


(2幕)

パリの小さなアパルトメント、秘密の隠れ家のような場所で、マノンとデ・グリューは甘い蜜月の日々を過ごしています。デ・グリューは、マノンとの結婚を認めてくれるように父親に手紙を書きます。自分のことが誉め讃えられている手紙を読みながら、「愛し合っているだけじゃダメなの?」と小首を傾げるマノンに、「僕は君に妻になってほしい」と答えるデ・グリュー。

そこに二人の居場所を探し出したブレティニーとレスコーが、連れ戻しにやってきます。逆らう二人に、結婚する気があるのか?と問うと、デ・グリューは今父に手紙を書いていたところだと答え、それをレスコーに見せている間に、ブレティニーがマノンに詰め寄ります。私の元に来ればもっと贅沢で楽しい暮らしができる、女王になれる、と豪華な宝石を渡され、心が動くマノン。

二人が帰った後、デ・グリューが手紙を出しに行っている間に、「私はもうあの人にふさわしくない・・」と別れへと心が傾きます。「ここで私たちは本当に愛し合っていたわ。この小さなテーブルが二人には広すぎるくらいだった。いつも身を寄せ合い、二人で一つのグラスにお互いの唇の跡を探したわ。どんなに私を愛してくれたことでしょう。さようなら、私たちの小さなテーブル・・」

デ・グリューが戻ってきて、泣いているマノンを心配しながらも、まさか別れようと思っているとは知らずに、「目を閉じれば森の奥に小さな家が見える。澄んだ小川と鳥の歌声・・・でも何かが足りない。そこにはマノン君がいなければ・・それが僕らの人生」と、心からの優しい愛を歌います。辛い涙を浮かべるマノン。
ドアを叩く音がしますが、「開けないで!」と叫ぶマノン。何も知らずに開けてしまったデ・グリューは、そのまま親元に連れ戻されてしまいます。


(3幕)

セーヌ川沿いの通り、今日はお祭りの日で、着飾った大勢の男女が行き来してとても賑やかです。レスコーやギヨーの情婦たちもコッソリ遊びに来ています。「彼女が来たぞ! あの美しい人が!」という人々の注目の中現れたのは、マノン。
ブレティニーに伴われ、ひと際目をひく輝くような美しさで周りを圧倒します

「私が女王のように街を歩くと、みんな私にひれ伏すの。でも私は優しいから、皆が私の美貌を誉めたたえても許してあげてよ。私は美しく、幸福で、花に囲まれているわ。さあ、若さを楽しみましょう、20歳の春を! 若い時は束の間、どんな誠実な愛も、一夜で消えてしまう。この世の春を楽しみ、愛し、歌い、笑いましょう!」と刹那的に歌います。
その神々しいばかりの美しさに、人々は息を飲むばかり。

そこにデ・グリューの父の伯爵が通りかかり、レスコーに「息子は神父になって、今日サン・シュルピス神学校で講話をする」と話しているのが聞こえてしまいます。とたんに心奪われるマノン。「あの・・お話が聞こえてしまったんですけれど、彼はもう彼女を忘れてしまったんですか? いえ、それは私の友人のことなんですけれど、彼女を憎んだり、苦しんだりはしていませんでしたか?」と伯爵に尋ねます。「いや、幸いにも息子はもう彼女のことは忘れました」という答えに愕然とします。
ギヨーがマノンの気を引こうと、オペラ座のバレエを呼んで踊らせているのに、まるで目に入りません。

いてもたってもいられずに、マノンはサン・シュルピス神学校に駆けつけます。
誠実で熱意にあふれたデ・グリューは神学校でも人望があり、皆彼の講話を楽しみにしています。聖人に相応しい方だ、との声の中、しかし本人は煩悩に悩まされていました。「消え去れ優しい幻影よ」と、マノンの面影を忘れようと苦しみを歌います。
父の伯爵が来て、家族の父となり人間としての務めを果たすのだ、と結婚を薦めますが、デ・グリューは首を横に振るばかり。伯爵は、母の遺産の彼の取り分を渡して帰ってゆきます。

面会だと言われて来たデ・グリューは、マノンの顔を見て驚愕します。
「帰れ、君の来る場所ではない!」
「どうか許してください、罪深い女でした。でも、愛し合った日々は真実、どうか思い出して」
「すべて砂上の絵、愚かな夢だった。もう君は私の心から消えた」
「カゴから逃げた小鳥は、夜になれば恋しい古巣に帰って来ますわ」
「だめだ!」
「それなら私は死にます!死んではだめなら、あなたの愛をください」
「無理だ、彼はもう君のために死んだ!」

「いいえ、まだ生きているわ、どうぞ思い出して!私を見て。あの時のマノンではありません? あなたが抱いてくださったのはこの腕ではありません?、あなたを見つめたこの瞳、あなたを呼んだこの声、どうか思い出して!マノンではなくて?」
「神よ、試練に耐えさせ給え!」 「ジュテーム!」
「ここで愛を語るな!神への冒涜だ!」 「ジュテーム!」

(鐘の音)

「祈りの時間だ、行かなくては」 「いやっ!私を置いていかないで!」
「私を見て、あの時のマノンではありません?あなたが抱いてくださったこの腕ではありません?あなたを見つめたこの瞳、あなたを呼んだこの声、どうか思い出して!あのときと同じように!」
「あの時と同じように・・・ああ、マノン僕はもう自分を偽れない。たとえ天が僕の上に崩れ落ちようと、僕の命は君と共にある。マノン、愛している!」


(4幕)

パリのホテルの地下にある賭博場。ギヨーと彼の情婦たち、レスコーらが賭博に興じています。勝ち続けて浮かれるレスコー。
「ギャンブルは芸術さ、勝つためには危険を厭わない。人生の間違いを正すチャンスだ」と客達は騒ぎます。

そこに登場するマノンとデ・グリュー。「こんな所に来るべきではなかった・・でも断る勇気がなかった」とデ・グリューは早くも後悔しつつ、マノンに「あなたにここでギャンブルをしてほしいの。すぐに大金を手にできるわ」と誘われ、「ああ、君は生きるシレ―ヌだ・・そこまで快楽と富を追い求めるとは何て愚かなんだ。僕はどれほど君を愛し、どれほど憎むのだろう・・」と拒むことができません。もう、父に貰った遺産はすべて使い果たしてしまったのです。

それでも渋っていたデ・グリューも、レスコーらに挑発され、ついにカードのテーブルにつきます。
「ああ、これよ!わたしが求めていたものは。このお金の音! 笑い声!このめくるめく快楽!」と陶酔して歌うマノン。
デ・グリューは勝ちまくり、金が積み重なってゆきます。

大負けしたギヨーは怒り、「イカサマだ!覚えてろよ!」と捨て台詞を残し出て行きます。マノン達が帰ろうとすると、ドアを激しく叩く音がし、怯えるマノンは「警察だ!」と踏み込んできた警官とそしてデ・グリュー伯爵の姿を見て、「もう終わりだわ・・」と崩れ折れます。


(5幕)

警察に捕らえられた二人ですが、デ・グリューは父親のはからいで釈放されました。しかし哀れなマノンは、売春婦としてアメリカに流刑になることに。デ・グリューとレスコーは、なんとかマノンを奪い返そうと企みますが、仲間が集まらずに断念。
出航するル・アーヴル港にやってきて、係員に金を渡してなんとかデ・グリューは中に入れてもらいます。

同じように流刑になる罪人や娼婦たちの中にマノンの姿を見つけた時には、マノンはもうやつれ果て、汚れ、生きる力もなくなっていました。デ・グリューの姿を見て怯え、ボロボロの姿で泣き崩れます。デ・グリューは優しくマノンを支え、心をこめて「一緒に逃げよう」と語りかけます。

「ああ、たった一人の愛する人・・ 私はなんて不実で愚かだったでしょう。私は自分が憎い! こんなにあなたを愛しているのに、こんなにあなたを傷つけてしまった。もう償いようもない。どうぞ許して」
「何を許すというのだ、君の心が僕に戻ってきたというのに。神は君を許している。僕は君を愛している!」

「ああ、清らかな光がさすわ。本当の幸福に出会えた・・ これで死ねるわ」
「何を言う、一緒に生きるんだ」
「もうだめ。どうしようもなく眠いの。もう目が覚めることがない・・最後のキスをして」
「マノン聞いてくれ!思い出してくれ!この握っている手は僕の手だろう、抱きしめているのは僕の腕だろう。これは僕の声だろう!」といって歌うのは、あのサン・シュルピス神学校でマノンが歌ったあの歌。

しかしもうマノンの命の灯は消えようとしていました。
「もういいの。これが・・・マノン・レスコーの物語」とつぶやいて、こと切れます。






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